「このまま終わりたくない」と思い続けた20年。
2026年8月3日
毎朝、満員電車に揺られながら思っていました。
「今日も耐えるのか」
会社に着く頃には、もうクタクタでした。
傍から見れば、問題のない人生だったと思います。
でも、自分では知っていました。
「このまま終わりたくない」
40歳のとき、作曲家を目指しました。
音楽専門学校に通い、曲を作り、販売もしました。
でも、「何かが違う」という違和感だけは埋まりませんでした。
仕事の忙しさも重なり、結局、続けることができませんでした。
夢は、「叶えられなかった夢」のまま残りました。
それでも変わることを諦めきれず、今度は自己啓発を学び始めました。
セミナーに行くたびに、「今度こそ変わる」と思えました。
帰り道だけは、自分が変われる気がしたのです。
でも翌朝になると、昨日までと同じ自分が会社へ向かっていました。
仕事に行き、疲れて帰り、何もできずに寝る。
それを10年以上、繰り返しました。
当時は、自分の意志が弱いのだと思っていました。
今振り返ると、昨日までの日常に戻る力のほうが、ずっと強かったのだと思います。
作曲も、自己啓発も、ぼくが探していた答えにはなりませんでした。
そんな毎日が続く中で、50歳を迎えました。
その頃、父と母を同じ年に見送りました。
動かなくなった二人を前にして、
「人は、本当に死ぬ」
頭ではなく、身体でそう理解した感覚がありました。
それから、「いつか始めよう」という言葉が、以前より怖くなりました。
実家を整理していたとき、昔の手紙も出てきました。
「頼りにしているよ」
「ありがとう」
自分では忘れていたことでも、誰かの中には残っている。
そんなことを考えるようになりました。
それから少しずつ、外に答えを探すことより、自分がこれまで経験してきたことを見るようになりました。
今、毎朝やっているのは、自分の経験を一つずつ言葉にすることです。
通勤ルートを座れる電車に変え、出社前のカフェで30分、ノートに経験や気づきを書いています。
「朝、自分の人生を生きてから会社へ行く」
そんな感覚です。
今では、この30分が一日で一番好きな時間になりました。
あの頃のぼくは、「自分には何もない」と本気で思っていました。
でも、振り返ってみると、経験はありました。
ただ、それを自分で見つけて、言葉にすることをしていなかったのです。
今は、
「経験を価値に変える」
ということを、自分なりに続けています。
文章を書いたり、Kindleを作ったりしながら、これまでの経験を少しずつ外に出しています。
まだ途中です。
でも、20年間「このまま終わりたくない」と思ってきた自分が、今は少しだけ、自分で選んだことをやっています。
だから、この本を書きました。
「自分には何もない」
もし、以前のぼくと同じように感じている人がいたら、この本を届けたいと思っています。
このサイトでは、会社の外にも自分の人生を育てていく過程を書いていきます。